トスバッティングは時間のムダ?

野球

トスバッティングは、小学生からプロまで、必ずと言っていいほど行われている練習メニューですが、やればやるだけ時間のムダになってしまいがちな練習になってしまう可能性がありますが、本当にムダな練習メニューなのでしょうか?

 

 

トスバッティングとは

トスバッティングとは、相手から軽く投げてもらったボールをワンバウンドで打ち返す練習で、地域によっては「ペッパー」という呼ばれている練習メニューです。

※地域によって呼び名が違います。言葉を置き換えてお読みください。

 

チームで行う練習メニューの中で「練習をこなす」という状態になりやすく、つまらない練習と感じている方も多い練習メニューのひとつです。

そんな事から、「トスバッティングに意味を感じない
という意見を多く耳にします。

果たしてそうなのでしょうか?理由を自分なりにまとめてみました。

「トスバッティングに意味を感じない理由」とは?

それでは、なぜ、「トスバッティングに意味を感じない」のでしょうか?

・実戦的ではない
・なぜ(投げる)相手に打ち返さなければならない?
・ミートポイントがバラバラになるのでは?

おっしゃるとおりです。

トスバッティングでは投げられるボールに対してバットを出し打ち返します。
そもそも、トスバッティングは相手が打ちやすいコースに打ちやすい速さで投げますので、その時点で実戦的ではありません

トスバッティングをしていると、こういう場面にも遭遇しますよね?

判定でストライクにならないボール、自分の体に向かってくるようなボール。
こんなボールを、実戦でピッチャー(相手)に打ち返さなければならない場面ってありますか?

ないです

だったら、こんな練習を続けてもミートポイントもバラバラになってしまうんですけど?

これもおっしゃる通りです。

それでは、「トスバッティングをなぜするのか?

このような疑問が発生する理由は、この練習の意味を理解していないからなのだと私は思います。

積極的に練習メニューに取り入れているプロ野球選手がいるという事は
「意味がある」ということです。

トスバッティングから得られる効果とは

それでは、ここからトスバッティングから得られる効果をお伝えします。

当然ながら、トスバッティングをすることで得られる効果があります。

・ウォーミングアップとして
・ボールを見極めるための練習
・バットコントロール技術の向上
・自分の打撃ポイントの確認

私は、高校に入るまで「ウォーミングアップ」の一つとして
この「つまらない練習」であるトスバッティングをこなしてきました。

相手が投げる直径約7cmのボールを、それより細いバットで打ち返すという練習ですが、この打ち返すまでの動作の間に、バッティングの基礎中の基礎が凝縮されています

まず、どんな練習でもそうなのですが、まわりに迷惑をかけないために、
「早く」「滑らかに」行うことが目的となりがちなのですが、
それがトスバッティングを一つの「作業」の一つとしてこなしてしまう
一つの要因になっているのではないか。

どんな練習にも意味があります。

どんな意味があるのか理解して練習するだけでも、
効果はかなり変わってきますので、それを意識して練習するようにしましょう。

ウォーミングアップとしてのトスバッティング

トスバッティグは、一日の練習メニューの中の初めの方に行われる練習です。練習メニューの位置づけとしては体を温めるためのウォーミングアップ的な意味もありますが、それだけではありません
トスバッティングは、これから行う練習、試合のための心の準備にもなります。
これはどういう事かというと、その日の調子を指し図るためのバロメーターとしてトスバッティングを行うという事です。

あれ?今日はボールの上を叩く傾向があるな」とか
今日はボールの回転が良く見えるぞ」とか
なんか今日はバットを振り始めるタイミングがいつもより遅いのかな」とか

私は、トスバッティングをしている最中に、「今の自分はどういう状態なのか?」などに気づくきっかけとなる場面が多くありました。

その日の調子、そこから得られる微妙な感覚の変化を知った上で、
そのあとの練習、試合に生かすというものです。

ボールを見極めるための練習

バッティングは、ピッチャーからボールが投げられ、打つまでの間に、打者はさまざまな情報を視覚として瞬時にとらえなければならず、その情報をもとに瞬時に打撃動作に入らなければなりません。

どんなに正確で、早いスイングができたとしても、目から入る情報なしでは、ピッチャーから投げられたボールを打ち返すことはできません
トスバッティングは、試合やフリーバッティングなどと違いボールはゆっくりですが、相手から投げられたボールが、どのような高さ、角度、軌道、スピード、回転で自分に向かってくるのかを見極めるための練習でもあります。

バットコントロール技術の習得

トスバッティングでの暗黙のルールは、相手に正確に打ち返すことです。
ボールを投げる相手のスキルもパートナーによりバラバラなので、
いつも同じコース、高さ、速さなど、ばらつく事があたりまえです。
トスバッティングは相手に打ち返すことがルールなので、当然、投げる相手はほとんど動くことはなく、同じ場所にいるのが普通です。

したがって、相手が投げるたび、高さ、コース、速さがバラつくボールを同じ場所にいる相手に打ち返さなければなりません

相手の投げるボールに応じて、バットの角度や、バットの出し方を微妙に調整する繊細さが求められます

このことから、トスバッティングは、これらの技術を向上させることができる練習であると意識できれば、効果的な練習と言えます。

自分の打撃ポイントの確認

トスバッティングは「自分の打撃ポイントの確認」の意味もあるとお伝えしました。

しかし、世の中には、さまざまな野球の技術解説書があり、様々な方向から「打撃ポイント」の説明をしています。しかし、どんな解説書にも「ココ」という打撃ポイントは明確に書いてありません。それは、

打撃ポイントが個人により異なるからです。
個人ごとに「視力」「筋力」「バットの軌道」が異なるからです。

それでは、なぜ、技術書にも書かれていないような「打撃ポイント」をトスバッティングで確認する事ができるか、順を追って説明します。

トスバッティングでは、投げた相手にワンバウンドでボールを返す事が暗黙の了解となっており、その動作を確実に行えるようになることが目的となっています。

ですが、その目的にばかりにとらわれ過ぎると、効果の薄れた練習になってしまう事を先にお伝えしておきます。

目的にとらわれ過ぎた練習はこうなります。(私の経験則です)

投げる相手に返す打ち方として、両足、体を投げる相手と並行にして打つ(オープンスタンス)方法が、相手に正確に打ち返すことが、間違った目的を達成するための近道です。

楽ができるということです。上手くなった気になれます。

まずはこの方法で正確に打ち返す「バットコントロール」を目指しても構わないのですが、これで良しとしてしまうと効果が薄れてしまいます

よく考えてみてください。

果たして、フリーバッティングや試合では、自分の体を平行にしてバッターボックスに立つでしょうか?

(そのようなバッティングフォームなのであれば例外です)

オープンスタンスは、体が開いた状態で動作を行ためボールは見えやすいのですが、自分の体から遠いボール、いわゆるアウトコースのボールを打つ場合は、体の方向を変え、踏み込まなければバットが届かないはずです。

つまり、その体の向きのままでトスバッティングを続けても、実戦では行わないため、対応できるコースの範囲が減ってしまっていることになります。

トスバッティングの目的のひとつは、自分の打撃ポイントの確認です。

いろんなコースに投げられたボール
いろんな軌道で投げられたボール
いろんな速さで投げられたボール

に、どのような角度でバットをぶつければ相手にワンバウンドで打ち返せるか

「コース」「軌道」「速さ」に応じて変わると自分の感覚に浸みこませる事ができ、結果、自分の打撃ポイントの確認になると理解できれば、トスバッティングが作業にならないはずです。

トスバッティングの基本的なやり方とは?

トスバッティングのやり方は、先にも紹介したとおり、
相手に正確に打ち返すことが暗黙のルールです。

ポイントは2つあります。

1つ目は投げる相手が補給しやすいよう、ミートしたボールをワンバウンドで相手に返すことです。

2つめは上半身のみでバットをコントロールし軽く打ち返すことです。膝などを使っての補助対応は行わないでください。

ここで意識しなければいけないことは、

その日の調子、そこから得られる微妙な感覚の変化を知る
相手の投げるボールに応じて、バットの角度や、バットの出し方を微妙に調整する
打撃ポイントは「コース」「軌道」「速さ」に応じて変わると自分の感覚に浸みこませる

まずは、数球、上記のことを意識しながらトスバッティングを行います。その後、

球数を決め10球なら10球すべて相手の真正面に打ち返せるよう、さらにワンバウンドで返せるよう集中して行う

ようにします。

これは、自分に対してのテストです。精神論になってしまいますが、緊張感を持って集中し結果を出せる自分を作るため自分を追い込みましょう。

最初の頃はミートすることで精一杯かもしれませんが、
ただ単なる「作業」にならないよう集中することが上達につながります。

加えて、トスバッティングの効果をさらに向上させるには、
重いバットを使用することも効果的です。
私は木製のマスコットバットを使用し練習しました。
トスバッティング程度であれば、特に問題ないですが、
マスコットバットはボールを打つために作られていないので、
使用の際は、自己の責任において行ってください

普通のバットを使用したトスバッティングより
難易度がかなり上がります。これが難なくできるようになるだけでも、バットコントロールはかなり向上し、ミート力もかなり上がり、バットが振れる筋力が養えます。

筋力は、強い打球を飛ばすため、遠くへ打球を飛ばすため
と思われている方が多いですが、そもそも、バットが振れないのに
タイミング、バットコントロール、変化球打ちなどの技術は付いていかないという事を頭に入れておいてください。

まとめ

トスバッティングは何のために行うのか

ウォーミングアップとして

これから行う練習、試合のための心の準備

ボールを見極めるための練習

相手から投げられたボールが、どのような高さ、角度、軌道、スピード、回転で自分に向かってくるのかを見極めるための練習

バットコントロール技術の向上

体の向きを投げる相手と平行にしない(オープンスタンスにしない)

自分の打撃ポイントの確認

バットをボールにあてる角度は
「コース」「軌道」「速さ」に応じて変わる

以上のことを意識するだけでも、トスバッティングが「作業」とならないはずです。

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